オレブロ的歴史講座 スペシャル。
ハインツ・キニガドナーが語る 第2回
KTMとラリースポーツの深い関係。

前後に搭載した燃料タンク、ラリーの競技規則に則った飲料水用タンクと一体化させたエンジンガード、ナビゲーションアイテムを収めたインストルメントなど、ラリーマシンとしてのパッケージをまとめた一台。

前後に搭載した燃料タンク、ラリーの競技規則に則った飲料水用タンクと一体化させたエンジンガード、ナビゲーションアイテムを収めたインストルメントなど、ラリーマシンとしてのパッケージをまとめた一台。

ストリートバージョンのADVENTURE R。前後に長いホイールストロークを与え、すでにこの状態でかなりのポテンシャルを持っている。キャブレターなどツーリングでも扱いやすいように仕上げられている。

ストリートバージョンのADVENTURE R。前後に長いホイールストロークを与え、すでにこの状態でかなりのポテンシャルを持っている。キャブレターなどツーリングでも扱いやすいように仕上げられている。

ハインツ・キニガドナーが「オフロードモータースポーツの世界にKTMが留まるべき」とCEOステファン・ピエラにその重要性を理解させた張本人である、 とKTM JAPAN代表取締役社長のミハエル・シャノーは敬意を込めて語ります。キニガドナーはKTMにモトクロス250㏄クラスでワールドタイトルをもたらした ことはもちろん、今でも存在感ある活躍でKTMにとって重要な人だと話します。レーシングマネージャーなど要職も務める彼は、KTMのラリースポーツにも 深く関わってきました。

日本国内には輸入されていないが690LC4エンジンを搭載したラリー用市販モデル。前後の燃料タンク、角度が調整できるマップホルダー、スタンディングしやすいように合わせたハンドルバーの高さなど、実戦からのフィードバックを全て詰め込んだまさにREADY TO RACEな一台。オーストリアの大きなディーラーで納車待ちの現車と対面できることも。

日本国内には輸入されていないが690LC4エンジンを搭載したラリー用市販モデル。前後の燃料タンク、角度が調整できるマップホルダー、スタンディングしやすいように合わせたハンドルバーの高さなど、実戦からのフィードバックを全て詰め込んだまさにREADY TO RACEな一台。オーストリアの大きなディーラーで納車待ちの現車と対面できることも。

KTMのレジェンドライダーの現役時代の1枚。KTMの歴史に大きな役割を果たしたハインツ・キニガドナー。彼は現在もKTMやモータースポーツのために尽力を惜しまない。

KTMのレジェンドライダーの現役時代の1枚。KTMの歴史に大きな役割を果たしたハインツ・キニガドナー。彼は現在もKTMやモータースポーツのために尽力を惜しまない。

「1989年に南米で行われたインカラリーへは、2ストロークエンジンの350ENDUROに、ビッグタンクを取り付けただけのバイクでした。レッドブル は当時から私達をサポートしています。1992年から1993年にかけても、ラリー用バイクはシンプルなものでした。LC4エンデューロにビッグタンクを 載せたバイクでチュニジアラリーなどに参加しました。そう、プライベーターと大差ないバイクです。そして1994年、北米のネバダラリーあたりから本格的 な参戦が始まりました。
翌1995年にはエジプトのファラオラリーで私にとって最初の国際ラリーでの勝利を経験します。これはKTMにとっても初めての国際ラリーでの勝利でし た。このころのワークスカラーはパープル。オフィシャルカラーとして3年ほど使ったでしょうか。まだ現在のようなラリーレプリカ的ファクトリーバイクは存 在しませんでした。1995年に行われたパリ〜モスクワ〜北京という総走行距離13,000キロにも及ぶ長距離ラリーにも参加しています。
これら数々の経験から、1996年にはフレーム、燃料タンクなどスタンダードとは異なるラリーマシンを製作したのです。最初はたった2台。プロトタイプ の燃料タンクはアルミ製で、燃料を最後まで吸い出せるか、という満タンテストなども出来ぬまま、実戦に投入されたのです。出来上がったのがラリーの二日前 でしたから常に70〜80%の走りを強いられレースそのものがテストでした。これが660ラリーという市販モデルにつながり、現在の690ラリーファクト リーレプリカに続く出発点でした。私自身、2000年までラリーに参戦し続けました。また、ラリー現場から学んだ多くの事が市販モデルの開発、生産に於け る品質によい影響を与えているのです」

KTMの創業から近代までのエポックを歴史の生き字引達に語ってもらったこのシリーズですが、今回でひとまずピリオドを打ちたいと思います。また新たな形で近代史から近未来までのKTMを、証言集をまとめるべく動いています。どうぞご期待ください!

シリル・デプレの勝利で幕を閉じた2010年ダカールラリー。レース直前のレギュレーション変更によるハンディキャップをものともせず、ライダー、チーム一丸となって勝利を収めたKTM。マシン販売だけではなく現場でのプライベーターサポートを充実させているのもKTMの魅力。これだけ長期間ダカールラリーの第一線に関わってきたメーカーも稀である。

シリル・デプレの勝利で幕を閉じた2010年ダカールラリー。レース直前のレギュレーション変更によるハンディキャップをものともせず、ライダー、チーム一丸となって勝利を収めたKTM。マシン販売だけではなく現場でのプライベーターサポートを充実させているのもKTMの魅力。これだけ長期間ダカールラリーの第一線に関わってきたメーカーも稀である。