ヒストリック・モデル第8回 特別編
PROTON KR+KTM MOTO GP E/G
ストリートブランド復権への大きな足跡。

水冷V4エンジンは238psを15500rpmで生み出した。レーシングエンジンならではの美しさは誰をも魅了する力を持っている。

水冷V4エンジンは238psを15500rpmで生み出した。レーシングエンジンならではの美しさは誰をも魅了する力を持っている。

2003年、世界グランプリドーロレース、MOTO GPの125クラスに参戦を開始したKTMは、250㏄クラス、そして最高峰のMOTO GPクラスへとその活動の場を広げていった。2サイクル500㏄エンジンから4サイクルエンジンでの戦いとなった最高峰クラスに向け、KTMは75度のシ リンダー挟み角を持つV型4気筒エンジンを開発。プロトンKRに供給し2005年シーズンを戦った。ライダーはイギリス人のシェーン・バーン。ワールド スーパーバイクのチャンピオンという輝かしい戦歴を経てMOTO GPライダーとなって2年目。勝負を駆けた年にプロトンKRチームに迎え入れられる。2005年シーズン、プロトンKR KTMとバーンのハイライトはコークスクリューでお馴染みのラグナセカレースウエイで行われた第8戦アメリカグランプリでのこと。15位で完走したバーン はチームに貴重なポイントをもたらす。2007年から800㏄以下にエンジンのレギュレーションが変更され、この年を最後に最高峰クラスからは去ることに なったKTM。しかしその後も125㏄、250㏄両クラスに参戦を続け、ロードレースにおいてもその実力を示したことは記憶に新しい。
ここでは最高峰クラスに参戦したKTM製MOTO GPエンジンの細部を紹介します。これまでもHISTRIC MODOLEのページでは創業以来オフロードばかりではなく、ストリートブランドとしてKTMが歩んできたことをお伝えしてきました。そしてオフロードブ ランドとして地位を固めた21世紀に、世界ロードレースグランプリに打って出たKTMの純粋なレーシングスピリットと冒険心をご覧下さい。

素材、仕上げとも市販車のクラッチ部分とは異なる美学が貫かれている。

素材、仕上げとも市販車のクラッチ部分とは異なる美学が貫かれている。

前後のバンク用のスロットルバルブをドライブするのはギア、ワイヤードラム、そしてリンケージなどどれもが高い精度を持っている

前後のバンク用のスロットルバルブをドライブするのはギア、ワイヤードラム、そしてリンケージなどどれもが高い精度を持っている

ファンネルのベルマウス下のパーツは削り出したパーツにフランジを溶接で取り付けたもの。その下には低速用のインジェクターが備わる

ファンネルのベルマウス下のパーツは削り出したパーツにフランジを溶接で取り付けたもの。その下には低速用のインジェクターが備わる

カムカバーも削りだしで造られている。

カムカバーも削りだしで造られている。

超高回転型のエンジンとするためにボア×ストロークは82mm×47mm、インテークに対してエクゾースト側のヘッド高が低いことがわかる。

超高回転型のエンジンとするためにボア×ストロークは82mm×47mm、インテークに対してエクゾースト側のヘッド高が低いことがわかる。

インテークファンネル直上にある高回転用インジェクター越しに楕円型のスロットルバルブを見てみよう。バルブ自体は薄いアルミ製だ。

インテークファンネル直上にある高回転用インジェクター越しに楕円型のスロットルバルブを見てみよう。バルブ自体は薄いアルミ製だ。

4気筒エンジンとは思えないスリムさ。求められる最高の性能と車体パッケージを造り出すためのシェイプが印象的。ビッグボア、広いバルブエリアを容易に想像できるエキゾーストポートの形状もレーシングエンジンならではである。

4気筒エンジンとは思えないスリムさ。求められる最高の性能と車体パッケージを造り出すためのシェイプが印象的。ビッグボア、広いバルブエリアを容易に想像できるエキゾーストポートの形状もレーシングエンジンならではである。

シェーン・バーン+PROTON KR KTM。パワーリフトしないと見えない部分にPOWERED BY KTMの文字。

シェーン・バーン+PROTON KR KTM。パワーリフトしないと見えない部分にPOWERED BY KTMの文字。

アクラポビッチが排気系を担当。当時のMOTO GPマシンらしくサイレンサーを備えていない。

アクラポビッチが排気系を担当。当時のMOTO GPマシンらしくサイレンサーを備えていない。

グリッドでスタート前にくつろいだ表情を浮かべるシェーン・バーン。

グリッドでスタート前にくつろいだ表情を浮かべるシェーン・バーン。

カッティングエッジ。シンプルなインストルメントパネルが脇の下から覗く。

カッティングエッジ。シンプルなインストルメントパネルが脇の下から覗く。