世界一の草レース、もて耐参戦記 第2部
7時間のレースが始まった。序盤トップに立ったKTMレーシング!

7時間の耐久レース「もて耐マスターズ」がスタートした。松田光市選手がウエット・コンディションのコースに飛び出して行く。

7時間の耐久レース「もて耐マスターズ」がスタートした。松田光市選手がウエット・コンディションのコースに飛び出して行く。

世界一の草レース?!、「もて耐マスターズ」の参戦レポートも、いよいよレーススタートの感動をお伝えする回がやってきました。緻密なレース運びとか、コンマうん秒を削るテクノロジーとか、まあそんなのは置いておいて、バイクで走る楽しみ、レースの楽しみを満喫しちゃいましょう! さてわがKTMレーシング(草)、今回の展開は??

第二部 怒濤の7時間(前編)

路面はWET。私なら無理(笑)
でもライダーたちは走りまくる! 倒しまくる! 転げまわる??

KTMRのスタートライダーは、もて耐表彰台常連の松田光市選手(コーイチ)。
路面が濡れてる事に対して、私ごときが心配する事など皆無。 むしろ手練ライダーだからこそラッキー要素の方が多いのかもしれない。ここんところは経験ですよね、何事も。
タイムはコンスタントに2分11秒~12秒台が刻まれて行く。 ポジションはずっと2位。
16周目、転倒車両が出てセーフティーカー(以下S/C)が入る。そのタイミングでピットイン。
タイヤ交換とガス補給を済ませ、ライダーは上田隆仁選手(小熊系)に交代。 ポジションは3位。

KTMレーシングは、序盤2番手をキープ、そしてトップを快走。

KTMレーシングのゼッケン#30は、序盤2番手をキープ、そしてトップを快走。

4周走った所でS/Cが外れ、その後4周目でポジションを2位に上げた。ピットロスをとりもどしたどー。そしてその後5周目にポジションTOP!
雨が強くなって来たこともあってペースはあがらない。タイムは2分13秒~18秒。 ポジションはずっとTOPのままでライダー交代。 この時、KTMRのトータル周回数は54周。
シートを外して、その下の何かを変更している。 何だろう。サインエリアの私には分からない (たとえ聞こえていても私がやれる作業は無いけどね) 。

国際ライダーの國川弘道選手(クニ)に交代し、コースイン。 強まる雨の中、タイムは2分21秒~23秒。ちょっとペース落ちているのか? ライダー交代時に2位に落ちていたポジションは、4周目で再びTOPに。 ウン、なかなか興奮するぞ! やっぱりトップを取るってすごいことだもんね。

TOPのまま走っていたクニ選手が、11周目にピットイン。何だろう。ちょっと不安。メカニックに何かを告げると、シートを外して何かやっている。何だろう。サインエリアの私には分からない (たとえ聞こえていても私が・・・以下略) 。

短時間の作業でコースへ。ポジションは2位。ちょっとお願い! 頑張って!
サインボードを出してる我々の前を通り過ぎる度に、首を振ったりして、 何か言いたげな様子。

6周走った所でまたピットイン。何か違和感を感じているんだろう。ここまで来ると私たちにもちゃんと伝わる。また短い作業をやって、コースに戻る。

松田光市選手のタイムは殆どが21秒台。きっちり30周を走りきった。だが、やはり何かがおかしい……。

松田光市選手のタイムは殆どが21秒台。きっちり30周を走りきった。だが、やはり何かがおかしい……。

その後、ライダーはコーイチ選手に。ポジションは4位。
9周目でポジションは2位まで復活。マシンも何とかなってるみたい。先ほどの調整が効いたのか?
それにしてもコーイチ選手の燃費走行は見事なものだった。因みにこの日、装着しているラップショットは全く機能せず。ライダーはサインボードだけが頼りという状態で走っていた。

それなのに、コーイチ選手のタイムは殆どが21秒台。 雨が強くなったり弱くなったりしている中、コンスタントに同じタイムを出せる技術力。燃費走行できっちり30周を走り切った。なんて凄いライダーなんだ。こうした精密機械さながらのテクニックにシビレてしまうのだな。ほんっとすごいなー(私もうまくなりたい)。

そのままKTMRはトータル102周目で上田隆仁選手(小熊系)にライダー交代。 雨は徐々に弱まり、時々日差しが当たるようになってきた。他のチームのタイムが徐々に上がっていく。なのに、我々KTMRのタイムは変わらない。……いや、むしろ落ちている。ちょっとヤバくありませんか? 先ほどの不安がじわりと甦ってくる。

TOPチームのタイムと比較すると15秒以上遅い。金曜日の走行時に2分3秒を出したライダーが、同じマシンで、何故25秒しか出ないんだろう? 雨だってそんなに降ってないのに。ライダーのスキルはもっともっと高い筈なのに、何故?

だが……ペースが上がらない。ピットインを繰り返す……。

だが……ペースが上がらない。ピットインを繰り返す……。

その状態でも、ポジション3位をキープしながら走る小熊系選手。その間にマシンを降りたコーイチ選手からメカニックに“マシンの状態の報告”がされている。
小熊系選手のタイムが上がらない事を認識したメカニックは、「5時間経過のタイミングで、マシンを直す作業にかかります。今の状態のマシンは壊れています。電装系のトラブルだと思われますので、どの程度かかるか分かりませんが、このままストレスを感じながら走り切るよりも直す事を選択します」という判断。

悔しさがこみ上げる。
せっかくここまで頑張ってきたのに。
せっかく雨の中、燃費を稼いでもらったのに。
せっかく転ばずに、上位を走っているのに。
せっかく、せっかく、せっかく……。

哀しくて哀しくてヤリキレナイ思いが募る。
でも。でも。
すぐに直れば挽回する事だって出来る筈。
次のライダーは金曜日に1分59秒を叩き出したクニ選手(國川)なんだもの。
もっとタイムは出せると言っていたもの。

トラブルを抱えながら3位をキープしながら走る上田隆仁選手。

トラブルを抱えながら3位をキープする上田隆仁選手。

少しでも早く、マシンのトラブルの原因が分かりますように。
そしてそれを直して、元気一杯のマシンに復活しますように。
たとえメカががんばっていても私が……以下略。
だけど、応援することならできるわ! お願いだってできる!
だってチームなんだもん、一緒に戦ってるんだもんね! そうだよね!

そして運命のピットイン。
メカがマシンを点検する。
1秒1秒がすごく長い。
1台行った(ヒューーーン!)
もう1台行った(キューーーン!)

「スロットルボディーが緩んでいるだけかもしれない!」
そんな朗報が入る。 締め直して、クニ選手がコースへ。
お願い。直ってて!!!

スロットルボディーを締め直し國川弘道選手がコースへ──。

スロットルボディーを締め直し國川弘道選手がコースへ──。

……その願いは空しく、1周で戻って来てしまった。
もっと違う事なんだ。何だろう。何が考えられる??
「コレが原因かも?」 またコースイン。
ダメ。
そんな繰り返しが数回。
私もメカのことなんかわからないけど、一生懸命考える。
いやいや、私が考えたってしょうがないな。

今こうして書きながら振り返ってみれば、KTMで全日本に出ている時のクルーやメカニックの人に助言を貰う事だって出来たかもしれない。こういう時に頭が冴えていないのは寝不足だったせいか?

「よーし、これで走ってみよう!」
この時、改めてレースウィークに入るときの整備を見直して……手をつけていないところを確認したのだった。ああ、確認漏れがあった!(続く。レポート/オートバイとレースが大好きなH.C.さん)