2011ファラオラリーは
KTMファクトリーのマルク・コマが総合優勝!

KTMファクトリーチームのマルク・コマ。ファラオラリーのシンボル的存在でもあるギザのピラミッドの前で勝利をかみしめる。しかし想いはすでに南米のダカールへと飛んでいる。

KTMファクトリーチームのマルク・コマ。ファラオラリーのシンボル的存在でもあるギザのピラミッドの前で勝利をかみしめる。しかし想いはすでに南米のダカールへと飛んでいる。

10月3日、エジプトのカイロをスタートした2011ファラオラリーは砂丘の中で繰り広げられる6つのステージを終え、10月8日に再びカイロへと戻りました。KTMファクトリーチームのライダーで、すでに3度のダカールウイナーであるマルク・コマは、KTM450ラリーを駆り、初日から総合首位の座を明け渡すことなく優勝を飾りました。

これにより、マルク・コマとしてはファラオラリー通算5勝(2005年、2006年、2007年、2010年、2011年)という記録を達成。これは1998年から2001年にかけて4連勝を飾ったファブリッツィオ・メオーニが持つ4勝を上回るすばらしい記録となりました。

2011年、ファラオラリー・リポート

■ステージ1
お祭り騒ぎに沸くカイロをスタートした2輪、4輪、カミオン併せて99台のエントラントは、カイロからティブニヤに向かう350キロのスペシャルステージで、砂漠の洗礼を受けることになりました。
MRW Red Bull AMV KTMファクトリーチームからエントリーしているマルク・コマは、難しい地形を盛り込んだ初日の350キロのステージを4時間6分28秒で走破。2位ビラドンスに3分55秒差をつけて総合で1位に立ちました。

「ラリーの初日はいつもタフだよ」とコマに言わしめる難コースから、2011年のファラオラリーが例年以上に厳しいものであることを予感させました。

■ステージ2
砂丘ステージが続くファラオラリーを象徴するかのような2日目、ビバーク地ティブニヤをスタートし、砂丘地帯を周回し再びティブニヤに戻るループコースが設定されました。
そこには難しい砂丘が待ち構えていました。高くそびえた砂丘はソフトな砂でライダー達の足下をすくいます。しかも砂丘と砂丘の間隔が狭く、速度を維持しにくく、コースを見つけるのも難しいステージを主催者は用意したのです。
このステージで実力を発揮したのがコマでした。ステージウインこそロドリゲスに奪われますが、トップから5分50秒差の5時間22分7秒のタイムでステージ4位。総合では2位に1分23秒差をつけ首位を守りました。

デザートキング、マルク・コマ。KTMファクトリーチームの450ラリーを駆り、自身のファラオでの優勝記録を伸ばし単独首位になる。「肉体的に大変だったけどこれもダカールの良い練習さ」とさらりと言いのける。

デザートキング、マルク・コマ。KTMファクトリーチームの450ラリーを駆り、自身のファラオでの優勝記録を伸ばし単独首位となった。「肉体的に大変だったけどこれもダカールの良い練習さ」とさらりと言ってのける。

■ステージ3
ラリー3日目、ティブニヤをスタートしたエントラント達はサルブラハを目指します。このルートの途中に、かつて水をたたえた湖があった場所も含まれ、そこには褐色の砂ではなく、白い不思議な景色が広がっていました。
この日のステージでコマは抜群の速さを見せつけました。2位に10分7秒もの差をつけ、3時間5分59秒でステージウイン。
これにより総合でも2位に12分38秒差とリードを広げました。
ゴールでインタビューを受けたライバル達は「今日のマルク・コマについて行くのは不可能なほど速かった」と振り返ります。ショートステージでつけられた大きな差にライバル達も困惑したにちがいありません。

「今朝は4番手からスタートしたんだ。ヨルディ・ビラドンスやヤコブ・プリズゴンスキ、そしてエルダー・ロドリゲスを最初の80キロまでにパスしたんだ。今年のダカールから試しているサスペンションをテストしながらだったけれど、とても良い走りが出来たね。いい一日だったよ」
とコマもご機嫌です。

■ステージ4
この日のルートはサルブラハから再びサルブラハへと戻るループセクション。“ファラフラのサーキット”の異名を取る全行程339キロのうち、300キロの競技区間でタイムが競われます。
気温がとても高く、すでにマージンを持ったコマはステージで勝負を掛けるライバル達とのギャップに注意しながらも無理をしません。
このステージで3時間19分38秒、ステージ4位でフィニッシュ。トップから4分4秒差ではありましたが、総合では1位は変わらず。2位との差も10分38秒と安全マージンを維持しました。
ステージ後コマは言いました。
「もうフルスピードで走る必要はないんだ。ライバル達との差をマネージメントすることが大切だね。今日のルートは正真正銘、何もない砂漠だったよ」

ポデュームの上で歓びを爆発させるトップ3フィニッシャー。中央にマルク・コマ。左にライバルにしてタフな強さを持つエルダー・ロドリゲス(ヤマハ)、 そして一番右にヤコブ・プルジンスキ。各ステージで安定して上位に食い込んでいたヤコブ・プルジングスキは、2位に8分59秒差の総合3位をももぎ取る。一発逆転の位置にいたが2位には届かなかった。1位コマとの差も22分38秒。今後も要注目のポーランド人ライダーだ。

ポデュームの上で歓びを爆発させるトップ3フィニッシャー。中央にマルク・コマ。左にライバルにしてタフな強さを持つエルダー・ロドリゲス(ヤマハ)、 そして一番右にヤコブ・プルジンスキ。各ステージで安定して上位に食い込んでいたヤコブ・プルジングスキは、2位に8分59秒差の総合3位をももぎ取る。一発逆転の位置にいたが2位には届かなかった。1位コマとの差も22分38秒。今後も要注目のポーランド人ライダーだ。

■ステージ5
10月7日。2011年ファラオラリーで最も長く厳しい一日が始まりました。
サルブラハからティブニヤへと向かう総走行距離541キロのうち、スペシャルステージは444キロ。
このステージ、上位5台はお互いの動きを見ながらつかず離れずの走行を続けました。しかし、この中から2台のヤマハが抜け出し、コマに続く総合2位争いを始めたのです。

「今日は大変だった。特に15キロにも及ぶ柔らかい砂はとてもテクニカルだった。だから最初の給油ポイントまで、僕は燃料をセーブして走ったんだ。エンジンを回し過ぎてガス欠なんて、ロスしたくなかったからね。そして給油後、アタックを開始したんだ。途中一回スタックしたけど、時間的なロスも無く良いペースで走れたね」

この日、35歳の誕生日を迎えたマルク・コマ。長く厳しいステージで実力を出し、ステージ5を4時間28分59秒で駆け抜け1位でフィニッシュ。総合でも2位との差を14分53秒へと広げています。

■ステージ6
ティブニヤからラリーのゴール地点、カイロへと戻る最終日。コマは再びライバルとの差をマネージメントしながら手堅い走りに徹します。そして3時間34分50秒でステージ6をフィニッシュ。トップから6分56秒差のステージ4位でしたが、総合では1位。2位に13分39秒差をつける圧勝でした。

「とにかく今までで最もハードなファラオラリーでした。その中で勝利できたことはこの上ない歓びです。最終的にライバルに14分近い差を築けたことで後半はペースを守る事が出来ました。なによりチームの献身的な働きによりラリー中、450ラリーは完璧。チームも前進出来たと思います。とにかく体力的に厳しいラリーでしたが、2012年のダカールラリーに向けた良いトレーニングになったでしょう。チームのすばらしいサポートに感謝します」

勝者マルク・コマは次なる大舞台に向けた手応えを感じたようです。同時に、KTMの伝説的なライダー、ファブリッツィオ・メオーニ、そしてリシャール・サンクとともにファラオラリー5勝目を分かち合いたい、と伝説のライダー達に敬意を表したのです。

2011年、マルク・コマはアブダビ・デザートチャレンジ、サルディーニャラリー、そしてファラオの3戦のシリーズにエントリー。参加した全てのラリーでトップフィニッシュを果たしています。
彼とKTMファクトリーチーム、そして450ラリーの高い実力を証明した年となりました。みなさま応援、ありがとうございました。