Red Bull TEKA KTMファクトリーチームと、
ライダー達にご声援ありがとうございました!
──2011年モトクロス世界選手権最終戦、イタリアGPリポート。

最終戦、ロクツェンはいつものRed Bullカラーのヘルメットとは別にゴールドに輝くヘルメットも着用。ファンを沸かせた。

最終戦、ロクツェンはいつものRed Bullカラーのヘルメットとは別にゴールドに輝くヘルメットも着用。ファンを沸かせた。

モトクロス世界選手権(以下WMX)シリーズも残すは最終戦のみ。
9月11日、まるで真夏のような気温となったイタリア、フェルモに舞台を移した。Red Bull TEKA KTMファクトリーチームは最終戦イタリアグランプリに臨んだ。

MX1クラスでライダーズタイトルを2年連続でKTMにもたらしたアントニオ・カイローリ。ヨーロッパグランプリを終え、長期療養中だった母、パオラさんを見舞うためイタリア、シシリーの自宅に戻っていた。しかし、9月9日(金曜日)の午後、パオラさんは家族や親族に見守られながら息を引き取った。

KTMとRed Bull TEKA KTMファクトリーチームは、アントニオの深い悲しみ、そして彼が家族との時間を優先させるべきと判断。アントニオ・カイローリは、WMX最終戦イタリアグランプリを欠場すると発表。同時にアントニオと彼のご家族に、深い哀悼の意を表した。

アントニオは、たくさんのファン、チームから寄せられた多くの弔意に感謝の言葉を述べている。
また、9月18日にフランスのサン・ジャン・ダンジェリで行われるモトクロス・オブ・ネイションズへはイタリア代表として参加をすることも伝えた。

MX1クラス──マックス・ノーグル、嗚呼!不運の怪我。

アントニオ・カイローリ不在のRed Bull TEKA KTMファクトリーチームだが、MX1クラスを走るカイローリのチームメイト、マキシミリアン・ノーグル(愛称はマックス)は、最終戦でライダーズランキング4位から3位、あわよくば2位へと浮上することを狙っていた。
イタリア戦まで439ポイントを獲得しているマックスは、3位のデサール(スズキ)と23ポイント差、2位のフロッサード(ヤマハ)に33ポイントと、充分射程圏内に捕らえていた。

“トニーへ。私達チームはあなたとあなたの家族とともにあります”──最愛の母を亡くし、失意にあるアントニオ・カイローリに送るKTMファミリーからのメッセージ。

“トニーへ。私達チームはあなたとあなたの家族とともにあります”──最愛の母を亡くし、失意にあるアントニオ・カイローリに送るKTMファミリーからのメッセージ。

土曜日、好調な滑り出しをみせたが、思わぬ不運がマックスを見舞った。
「ああ、本当にまいったよ。土曜日は、絶好調に乗れていたし実際2位だったしね。その速さには僕自身が驚いたぐらいだよ。ペースを上げていた最後のラップのフィニッシュラインでのこと。そのジャンプでステップから足が外れて思わぬ距離と高さを飛んでしまったんだ。着地の衝撃で右手首の舟状骨を折ってしまたんだ」
と、マックス……。

バランスを崩したとはいえ、全くの不運。マックスは痛み止めの注射を打ち、テーピングを施した手で翌日のレース1に臨んだものの、その痛みと症状はレースを攻め続ける事を許さなかった。レース1途中で戦線を離脱。不運の怪我、それによるノーポイント。嗚呼!

これで4位だったポイントスタンディングスをライバルに譲る形で最終的に5位となった。すでにベルギーに戻り治療に専念しているマックスだが、今週末に行われるモトクロス・オブ・ネイションズへの、ドイツ代表としての参加は残念ながらかないそうにない……。

MX2──ハーリングス、今シーズンGP5勝目を獲得!

MX2 WORLD CHMPION 2011の文字が誇らしげなロクツェンのマシン。今回は125SXで参加するというサプライズ。

MX2 WORLD CHMPION 2011の文字が誇らしげなロクツェンのマシン。今回は125SXで参加するというサプライズ。

前戦ヨーロッパGPでワールドタイトルを手に入れたケン・ロクツェン、そしてランキング2位のジェフリー・ハーリングスの二人がMX2クラスに参戦するRed Bull TEKA KTMファクトリーチームは、最終戦で一つの挑戦をした。
すでにライダー、マニュファクチャラーの両タイトルを決めているKTMは、新チャンピオン、ケン・ロクツェンに2ストロークマシン125SXを預けたのだ。

レース1、ロクツェンは125SXを5位でフィニッシュラインへと運んだ。トップからは58秒585と、1分弱のビハインドとなったが、普段走らせている250SX-Fから乗り換えたことなどを考えれば上出来だろう。ファクトリーマシンとして磨かれてきた250SX-Fや、ライバルチームのマシンの中で5位なのだから。
KTMは2ストロークの開発を続行することをすでに発表している。WMXという最高の舞台、先行開発的なファクトリーマシン達の中で見せたロクツェンと125SXの活躍はファンの胸を躍らせた。
これは面白い事になる──、フェルモのトラックサイドで観戦したイタリアのモトクロスファンは思ったにちがいない。

しかし、レース2。ロクツェンはトラックに巻かれた水のため、きわめて滑りやすくなった轍にグリップを失いクラッシュ。その時、不運にもハンドルバーが大きく曲がり、レース続行が不可能になった。125SXとロクツェンの挑戦、そして今シーズンのロクツェンのレースはその時点で終了した。

(写真左)25SXのエンジンから生えるローボーイスタイルのチャンバーにはKTM RACINGの文字。(写真右)ガレージではそんな125SXをロクツェン本人もスマホでパチリ。

(写真左)125SXのエンジンから生えるローボーイスタイルのチャンバーにはKTM RACINGの文字。(写真右)ガレージではそんな125SXをロクツェン本人もスマホでパチリ。

そんなロクツェンとは対照的に最終戦イタリアグランプリで総合優勝を果たしたのがジェフリー・ハーリングス。レース1、彼はカワサキに乗るトニー・シールに12秒159差で2位に入った。

(写真左)イタリアラウンドで話題をさらったのがハーリングス。(写真右)レース2でトップを快走する。

(写真左)イタリアラウンドで話題をさらったのがハーリングス。(写真右)レース2でトップを快走する。

続くレース2。ハーリングスはレース序盤、6周目には2位シールに大きなアドバンテージを築いてラップを重ねた。結局レースディスタンス中、その差をマネージメントしたハーリングスは、16秒913の差をつけ、レース1のリベンジ果たし、第15戦イタリアグランプリでの総合優勝を飾った。

ジェフリー・ハーリングス Red Bull TEKA KTM
「予選ヒートではちょっとミスもしました。レース1ではスタートはキマったものの、レースペースを上げきることができず2位。でも、レース2ではシールを抜いてレースペースを築くことができました。
最終戦を終えた時点で僕はタイトルに20ポイントだけ足りなかった訳です。来期もKTMとともに、ロクツェンが歩んだようなストーリーを僕自身が描きたいですね」

(写真左)ポデュームでは金色のボトルでシャンパンファイト。ちゃんとゴーグルもしています。(写真右)でもイタリアグランプリの翌12日が誕生日のハーリングス。まだ17歳の彼はミネラルウォーターとRed Bullで喉を潤します。

(写真左)ポデュームでは金色のボトルでシャンパンファイト。ちゃんとゴーグルもしています。(写真右)でもイタリアグランプリの翌12日が誕生日のハーリングス。まだ17歳の彼はミネラルウォーターとRed Bullで喉を潤します。

ケン・ロクツェン Red Bull TEKA KTM
「レース1、僕はとても快調でした。5位フィニッシュです。レース2はスタートこそキマらなかったものの、5位まで浮上しました。本当はそのままポデュームを目指して突き進むつもりだったのに……。撒かれた水でトラックがとても滑りやすく、轍に入った時に抑えられずに転倒してしまったんだ。それでハンドルバーを曲げてしまってリタイヤだから、やっぱり悔しいですね」

(写真左)イタリアで見事なフライトを決めるロクツェン+125SX! チャンピオンの走りにファンの視線も釘付け。(写真右)それにしても暑い! 気温35度と真夏を思わせる中、走行後のロクツェンの汗からもそれが想像できる。

(写真左)イタリアで見事なフライトを決めるロクツェン+125SX! チャンピオンの走りにファンの視線も釘付け。(写真右)それにしても暑い! 気温35度と真夏を思わせる中、走行後のロクツェンの汗からもそれが想像できる。

KTMモータースポーツを統括するビッド・バイラーが、WMX2011年シーズンを振り返る。
「シーズン前、すでにチームには力とエネルギーに満ちていました。チームメイト同士が間違いなくタイトル争いをすることになるでしょうからね。振り返るとMX1は決して楽なシーズンではありませんでした。アントニオはシーズン開幕前の怪我が懸念されましたから。しかし、彼は開幕と同時にチャンピオンらしい戦いを見せてくれました。

スクープ!? レース後、ビッド・バイラーとロクツェンが、ハーリングスの頭にバリカンを! 暑いからか?

スクープ!? レース後、ビッド・バイラーとロクツェンが、ハーリングスの頭にバリカンを! 暑いからか?

それよりもシーズンを通して腰痛が消えなかったマックスが、最終戦に手首の怪我でシーズンを終えることになったのは残念なことでした(ちなみにマックスは2009年、2010年とポイントスタンディングスで連続2位につけたライダー)。
MX2クラスでは二人の若いライダーがフェアな戦いを続けてくれました。そしてロクツェンは、すばらしい結果をKTMにもたらしてくれました。そのスーパースターのすぐ背後にジェフリー・ハーリングスはつけているのですから。
総合的に見て2011年シーズン、私達KTMにとってすばらしいシーズンでした。MX1、MX2クラスはもちろん、ウーマンWMXでは昨年に続きシュティフィ・ライアーがタイトルを獲得してくれました。他にも多くのジュニアタイトルやヨーロッパタイトルの獲得をするという、これ以上ないすばらしいチーム、すばらしいライダー達とともにこの結果を得ることが出来たのですから」

KTMのモーターサイクルは世界最高峰の舞台からローカルな舞台まで、多くのドラマの中で磨き込まれている。だからこそREADY TO RACEというフィロソフィーは乗り手の心に届く。
Red Bull TEKA KTMファクトリーチームへのご声援ありがとう!

MX1 Results
1, Gaultier Paulin, France, Yamaha
2, Christophe Pourcel, France, Kawasaki
3, Jonathan Barragan, Spain, Kawasaki
4, Kevin Strijbos, Belgium, Suzuki
5, Xavier Boog, France, Kawasaki

OTHER KTM
15, Matthias Walkner, Austria, KTM
Max Nagl, DNF Race 1, DNS Race 2

MX1 Standings

1, Tony Cairoli, Italy, KTM, 596  [MX1 World Champion 2011 – title settled last week]
2, Steven Frossard, France, Yamaha, 472
2, Clement Desalle, Belgium, Suzuki, 461
4, Evgeny Bobryshev, Russia, Honda, 444
5, Max Nagl, Germany, KTM, 439

MX1 Manufacturers’ Standings
1, KTM, 630
2, Yamaha, 595
3, Suzuki, 562

MX2 Results
1, Jeffrey Herlings, Netherlands, KTM
2, Tommy Searle, UK, Kawasaki
3, Max Anstie, UK, Kawasaki
4, Arnaud Tonus, Switzerland, Yamaha
5, Nicolas Aubin, France, KTM

Other KTM
6, Pascal Rauchenecker, Austria, KTM
7, Jose Butron, Spain, KTM
8, Jordi Tixier, France, KTM
9, Jake Nicholls, UK, KTM
11, Ken Roczen, Germany, KTM (rode a KTM 125 SX, finished fifth in first moto and DNF in the second)
16, Even Heibye, Norway, KTM

MX2 Standings
1, Ken Roczen, Germany, KTM, 651  [MX2 World Champion 2011 – titled settled last round in Gaildorf, Germany]
2, Jeffrey Herlings, Netherlands, KTM, 632
3, Tommy Searle, UK, Kawasaki, 573
4, Gautier Paulin, France, Yamaha, 458
5, Arnaud Tonus, Switzerland, Yamaha 427

Other KTM
7, Nicholas Aubin, France, KTM, 304
10, Joel Roelants, Belgium, KTM, 253
11, Jake Nicholls, UK, KTM, 229
13, Jordi Tixier, France, KTM, 213
14, Jose Butron, Spain, KTM, 172

MX2 Manufacturers’ Standings
1, KTM, 733
2, Kawasaki, 622
3, Yamaha, 561