MX1クラス=アントニオ・カイローリ+MX2クラス=ケン・ロクツェン、 KTMファクトリーライダーが、2011年ライダーズチャンピオンを獲得!

自身も250㏄クラスで世界タイトルを2度獲得しているKTMレジェンド、ハインツ・キニガドナーさんに抱えられながらも、涙が止まらないロクツェン! ドイツ人チャンプの誕生は数十年ぶりのこと。

自身も250㏄クラスで世界タイトルを2度獲得しているKTMレジェンド、ハインツ・キニガドナーさんに抱えられながらも、涙が止まらないロクツェン! ドイツ人チャンプの誕生は数十年ぶりのこと。

KTMのモトクロス・ファクトリーチームがやってくれた。
前戦、イギリスグランプリにおいて、MX2クラスでのマニュファクチャラーチャンピオンを獲得したニュースに続き、嬉しい知らせが届いた。

9月4日、モトクロス世界選手権(WMX)第14戦ヨーロッパグランプリ(ドイツ・ガエルドルフで開催)において、MX1クラスでトニー・カイローリが、MX2クラスではケン・ロクツェンがライダーズチャンピオンを決めた。

これで両クラス制覇を達成! 歓喜に沸いた。

また、前戦イギリスでMX2クラスのマニュファクチャラータイトルを獲得したKTMは、これに続きMX1クラスでも2位ヤマハに124ポイントの差をつけ、MX1クラスのマニュファクチャラータイトルも奪取。これにより、Red Bull TEKA KTMファクトリーチームは、MX1、MX2両クラスでライダー、マニュファクチャラーのダブルタイトルを獲得した。
激闘の2011年シーズン、両クラス完全制覇を成し遂げた!

それでは、歓喜の時が訪れたドイツ・ガエルドルフでの二人の戦いぶりをレポートしよう。

ビット・バイラー、ステファン・エバーツに挟まれた2011年ワールドチャンピオン、トニー・カイローリとケン・ロクツェン。ピットボードを持ってサムアップするのはKTMのCEO、ステファン・ピエラ。

ビット・バイラー、ステファン・エバーツに挟まれた2011年ワールドチャンピオン、トニー・カイローリとケン・ロクツェン。ピットボードを持ってサムアップするのはKTMのCEO、ステファン・ピエラ。

2011年WMXシリーズも大詰め、ヨーロッパGPと9月11日に開催されるイタリアGPを残すのみ。今大会、ヨーロッパグランプリは、7月10日に行われた第9戦ドイツグランプリ以来今シーズン2度目となるドイツでの開催のグランプリとあって、ケン・ロクツェンの母国ファンも大挙観戦。
もちろん、モトクロス界のスーパースター、トニー・カイローリが再びタイトルを決める瞬間も共有しようと、ガエルドルフには2万2000人のMXファンが詰めかけた。

そしてMX1クラスのレース1が終了した時、KTMにとって最初の歓喜が訪れた(獲得ポイントなどはコチラで)。

MX1クラス──トニー・カイローリと350SX-Fの実力の証明。

トニー・カイローリは、2002年からWMXに参戦している。2005年、2007年にはMX2クラスでタイトルを獲得した。MX1クラスでも2009年、2010年と2年連続チャンピオンである彼は、昨シーズンからKTMファクトリーチームに移籍した。他メーカーの多くが4ストローク450ccマシンで戦う中、今年もステファン・エバーツとKTMのエンジニアが作り上げた350SX-Fと共に、チャンピオン争いを続けてきた。

(写真左)開幕戦を除けば、ライバル達が見たカイローリの姿の多くは背中だった。手堅く、強い彼の走りが3年連続のチャンピオンをもたらしたのだ。(写真右)350SX-Fはコンディションが荒れたレース2やレース後半にもライダーを疲労させずに速いレースペースを保てることも一つの武器としている。

(写真左)開幕戦を除けば、ライバル達が見たカイローリの姿の多くは背中だった。手堅く、強い彼の走りが3年連続のチャンピオンをもたらしたのだ。(写真右)350SX-Fはコンディションが荒れたレース2やレース後半にもライダーを疲労させずに速いレースペースを保てることも一つの武器としている。

4月の開幕戦ポルトガルGPでは不運にもレース1で膝を痛めるトラブルに見舞われ、成績も7位フィニッシュに終わった。続くレース2も11位といきなりつまずく結果となった。両レースでなんとか合計25ポイントを得たが、トップから22ポイントというビハインドを背負ってのシーズンスタートとなってしまった。
しかしそれ以降、前戦イギリスGPまでの12戦24レースにおいて、カイローリはポディユームフィニッシュを逃したのがわずか3回──アメリカグランプリのレース2(11位)、スウェーデングランプリのレース1(5位)、チェコグランプリのレース2(4位)のみ。リタイヤはもちろん、 1桁ポイントが無く、順調に2桁ポイントを稼ぎ続けてきた。

5度目のタイトル獲得を祝うシャンペンシャワー。ボトルからしぶきを浴びせているのはMX2の新チャンピオン、ケン・ロクツェンその人。

5度目のタイトル獲得を祝うシャンペンシャワー。ボトルからしぶきを浴びせているのはMX2の新チャンピオン、ケン・ロクツェンその人。

そして迎えた第14戦ヨーロッパGPのレース1。ポイント2位につけるステファン・フロッサード(ヤマハ)に82ポイント差をつける554ポイントで挑み、カイローリは3位に入り20ポイントを加算した。一方、ライバルのフロッサードは獲得ポイント0に終わった。
この段階でカイローリはKTMに2年連続(カイローリ自身にとっては3年連続)のMX1クラスチャンピオンを獲得。MX2を併せてWMXでの個人タイトル獲得数を5に伸ばした。

カイローリは続くレース2で2位に入賞。ライダーズポイントを596ポイントとした。
また彼のこの活躍により、MX1クラスでのマニュファクチャラーポイントをKTMに42ポイント加算。合計621ポイントとなり、2位のヤマハ(548ポイント)に73ポイント差をつけ、最終戦イタリアグランプリを待たずマニュファクチャラーズタイトルも確定した。

KTMにとってMX1クラスのタイトルは2年連続。450㏄4ストロークエンジンを搭載するマシンで戦うMX1クラスに、排気量の少ない350SX-Fで挑み、その機動性とライダーに取って扱いやすいパッケージを武器に栄光を手にした。

昨年KTM は、2001年から9年間に渡り日本メーカーが獲得してきたマニュファクチャラータイトルを奪った。2年連続タイトルを獲得することで、KTMの実力を再び証明したのである。

MX2──ケン・ロクツェン、17歳の伝説。

1994年4月29日生まれのケン・ロクツェンは現在17歳。ドイツではもちろん、世界が注目するモトクロスライダーに成長したライダーである。

レース1のフィニッシュ。ロクツェンは地元ファンに見事なウイニングジャンプを披露。

レース1のフィニッシュ。ロクツェンは地元ファンに見事なウイニングジャンプを披露。

彼のWMXキャリアは2009年5月10日に行われた第5戦、ポルトガルGPから。その一月後の6月21日に行われたドイツGPでは早くも伝説を打ち立てる。レース1、レース2ともに2位に入り、彼自身初となるグランプリ制覇を記録した。その時、ロクツェンは15歳と53日。これは最年少グランプリ優勝記録であり、当然現在も破られていない。

この年、ロクツェンは1位1回、2位7回、3位1回のポディユームフィニッシュを含む390ポイントを稼ぎ出しMX2ランキング5位。しかも全15ラウンド中11ラウンドのみの参戦、というハンディを背負っての結果は驚くばかりだった。
翌2010年シーズンはMX2クラスに初めてフル参戦し、マービン・ムスキャンを脅かしながらランキング2位を獲得。世界中にケン・ロクツェンの名を知らしめることになった。

そして今シーズン。WMX開幕前にはAMAスーパークロス・ライツ・ウエストシリーズに参戦し優勝争いの常連となる。また、スポット参戦したプロクラスでもしっかりとファクトリーライダーを食う活躍を見せた。

2010年、彼はWMXキャリアがたった1年半にして、KTMファクトリーと契約。250SX-F を走らせ、開幕戦から勝ち星を重ね、第13戦イギリスでMX2クラスのマニュファクチャラータイトルを決めることに大きく貢献した。

(写真左)そしてヨーロッパグランプリMX2クラスレース2を終えた瞬間、17歳の新チャンピオンが誕生。歓びが体を突き抜けるロクツェン。(写真右)ロクツェンファンがコースサイドを固める。

(写真左)そしてヨーロッパグランプリMX2クラスレース2を終えた瞬間、17歳の新チャンピオンが誕生。歓びが体を突き抜ける。(写真右)ロクツェンファンがコースサイドを固める。

彼自身のMX2タイトル獲得を目の前に、ロクツェンは母国でのヨーロッパGPを迎えた。
ロクツェンのライバルはRed Bull TEKA KTMファクトリーチームのチームメイト、ジェフリー・ハーリングス。イギリスグランプリ終了時点でロクツェン590ポイント、ハーリングス547ポイントとその差は43ポイント。今回の結果だけではタイトルの行方が最終戦に持ち越される可能性もあった。

記録づくめの17歳、その強さを地元で爆発させる。

記録づくめの17歳、その強さを地元で爆発させる。

ヨーロッパGPレース1、ロクツェンは地元ファンの前で力走し、優勝をプレゼントした。ハーリングスは5位に終わり、ロクツェン615ポイントに対しハーリングス563ポイントで52ポイントと、その差が開く。が、まだ決まらない。

続くレース2。ロクツェンは3位、ハーリングス2位。ロクツェン20ポイント、ハーリングスが22ポイントをそれぞれ加算し、635ポイント対585ポイントとちょうど50ポイント差になった。
残す1戦で獲得出来るポイント数は最大50ポイントだ。ロクツェンが0ポイントで、ハーリングスが両レース優勝すれば50ポイントを獲得し、二人がポイント数では並ぶことになる。
しかし……。今シーズンの優勝回数でロクツェンが上回るため、この時点でロクツェンの2011年MX2クラスタイトルが確定した。

ロクツェンは、WMX挑戦が2シーズンと半分という短期間でタイトルを決めたばかりか、17歳でのWMXワールドチャンピオンという最年少記録も更新した。
「いつもプレッシャーなんて感じないけど、今回は本当に特別だった。最後の数ラップがものすごく長く感じたよ」とロクツェン。
チャンピオン獲得が決まってからは、あふれる涙を拭うこともせず歓びを爆発させた。その後、自分のモーターホームに戻ってからもあふれる涙を止める事が出来なかったという。

チームメイトのジェフリー・ハーリングスは3位とのポイント差もあり、ランキング2位を確定。今シーズン、MX2クラスではトップ2をKTMファクトリーライダーが占める結果となった。

そして次戦、WMXは最終戦イタリア!

このラウンドでライダー、マニュファクチャラーともにダブルタイトルへの期待度が高まったこともあり、パドックにはKTMのCEO、ステファン・ピエラを始め、元世界チャンピオンのハインツ・キニガドナーもその瞬間を祝福しようと駆けつけていた。

9月10〜11日、世界選手権モトクロス最終戦イタリアGPは、3年連続のワールドチャンピオン、トニー・カイローリの地元で開催される。ポルト・サン・ジョルジオのモトクロスコースは次の週末、熱狂的ファンに埋めつくされるに違いない。

ファクトリーバイクも一緒に、MX1&MX2そしてマニュファクチャラーの完全制覇を祝して記念撮影。

ファクトリーバイクも一緒に、MX1&MX2そしてマニュファクチャラーの完全制覇を祝して記念撮影。