地獄のレース、“Red Bullヘアスクランブル”で
KTM ファクトリーライダー、
タディー・ブラズシアク5連覇を決める!

猛烈な斜度、尋常じゃないロックの連なり。採掘場でしかあり得ない路面を止まらず、着実に攻略するタディー・ブラズシアク。トラアルテクニックをベースとした、エクストリームエンデューロライダーならではの走りでクリアをすると観客から大きな拍手が湧く。

猛烈な斜度、尋常じゃないロックの連なり。採掘場でしかあり得ない路面を止まらず、着実に攻略するタディー・ブラズシアク。トライアルテクニックをベースとした、エクストリームエンデューロライダーならではの走りでクリアをすると観客から大きな拍手が湧く。

オーストリアのアイゼンエルツにある鉄鉱石の採掘跡地を舞台に行われるオフロードイベント、エルズベルグロデオが開催されました(6月23〜26日)。フリースタイル・モトクロス、ヒルクライム、エクストリームエンデューロなど様々なレースが用意されました。ライダー達の走りはもちろん、イベントステージで開かれた音楽フェス、そして航空機によるショーなどに延べ4万人を超す観客は盛り上がりました。

このエルズベルグロデオのメインイベントが「Red Bullヘアスクランブル」です。年を経るごとにその過激さ過酷さを増し、同時にそのステータスあるオフロードイベントで栄冠を勝ち取ろうと、35カ国から約1500名のライダーがエントリー。予選ラウンドを勝ち抜いたファイナリストとなった500名がレースに挑んだのです。

選ばれたライダー達が、採石場のボトムに出来た広場に整列。1列50台が5分おきにスタートする過酷な「Red Bullヘアスクランブル」のスタートが26日正午に切って落とされました。
Red Bullヘアスクランブルは、採石場の敷地内に造られたヒルクライム、ダウンヒル、ロッククライム、ガレ場、ヌタ場など、およそ考えつく悪コンディションがこれでもかと続く。特に、採石場のあちこちに設けられたヒルクライムとダウンヒルは圧巻。

こうして繋いだ40キロに及ぶコースに20のチェックポイントを設け、4時間以内にフィニッシュラインを通過したライダーのみが、フィニッシャーとしての称号を与えられるのです。
しかし例年、その完走率は3%ほどしかない、と言えばどれほど過酷で過激なコースが待ち受けているか想像できるでしょう……。

Red Bullヘアスクランブルのスタート。ライダー達がコーナーポスト代わりのRed Bullバルーンめがけてなだれ込む。

Red Bullヘアスクランブルのスタート。ライダー達がコーナーポスト代わりのRed Bullバルーンめがけてなだれ込む。

このレースで2007年から連勝しているのがKTMファクトリーライダーのタディー・ブラズシアク。トライアル世界選手権からエクストリームエンデューロに戦いの場を移した彼は、トライアルセクションにしか見えないようなヒルクライムでも、着実にバイクを進めて行きます。
今年も2時間12分03秒というタイムで、2011年のRed Bullヘアスクランブル優勝。これは彼自身の連勝記録を伸ばす5年連続優勝です!

(写真左)ヒルクライム! 待ち構えるのは壁のような登り。(写真右)1位タディー・ブラズシアク、2位ドギー・ランプキン、3位ジョニー・ウォーカー。フィニッシュゲートを背にした選手達。そこに置かれたバイクが激闘を物語る。

(写真左)ヒルクライム! 待ち構えるのは壁のような登り。(写真右)1位タディー・ブラズシアク、2位ドギー・ランプキン、3位ジョニー・ウォーカー。フィニッシュゲートを背にした選手達。そこに置かれたバイクが激闘を物語る。

2位はトライアルのマルチタイム世界王者でもあるガスガスのドギー・ランプキン(2時間18分41秒)。ちなみに昨年、ランプキンはトライアルの世界グランプリ日本ラウンドを欠場してまで、このRed Bullヘアスクランブルに参戦していました。結果はリタイヤ。よほど悔しかったのでしょう、今年もタディーを最大のライバルと見据えてエントリーしました。
3位はジョニー・ウォーカー(KTM)、4位にベン・ヘミングウエイ(KTM)と続きました。

フィニッシュラインでRed Bull片手に激闘で消耗した体を休める田中太一さん。見事2年連続の完走。

フィニッシュラインでRed Bull片手に激闘で消耗した体を休める田中太一さん。見事2年連続の完走。

日本から参戦した田中太一さん(KTM)も3時間14分48秒でフィニッシュ。見事7位完走を果たしました。

昨年、田中太一さんは予選でもあるプロローグでタイムロス。5列目という後方からのスタートとなったものの、途中チェックポイント間ではベストタイムをたたき出す活躍で見事13位フィニッシュを果たしました。過去、5列目から時間内完走を果たした選手はエルズベルグロデオの歴史になく、初参戦にて伝説を作ったことで一躍ヒーローになりました。
そんな田中太一さんは事前トレーニングも積み、プロローグを上位で通過。今年は1列目からのスタートを決めたのです。

時間内にすべてのチェックポイントをクリアしたライダーはわずか9名。例年にも増してハードだった2011年のエルズベルグロデオ。過去2回Red Bullヘアスクランブルを制した、ダカールラリーのマルチタイムチャンピオン、KTMファクトリーのシリル・デプレも完走ならず、という厳しさ。
それだけに5連勝を飾ったKTMファクトリーのタディー・ブラズシアク、そして日本から参加した田中太一さんが残したリザルトの重みはいつも以上。

オレブロでは田中太一さんの参戦報告もリポートする予定です。お楽しみに。