造られる「世界」への冒険。
キスカのグラフィックデザイン部門を見学する。

アニフ・ザルツブルグにあるKISKA。エントランスにはKTMベノムのようなコンセプトモデルも飾られている。飲料水メーカーのボトル、消火栓など様々な製品のデザインをこなす企業だ。

アニフ・ザルツブルグにあるKISKA。エントランスにはKTMベノムのようなコンセプトモデルも飾られている。飲料水メーカーのボトル、消火栓など様々な製品のデザインをこなす企業だ。

ザルツブルグから車でおよそ15分。古い町並みが印象的なアニフ・ザルツブルグ。この町にKTMのモーターサイクルを造る上で欠かせないパートナーがい ます。それがKISKA。ジェラルド・キスカが創業したデザインオフィスは、今や多くのクライアントを抱える企業となっています。KTMのモデルをマーケ ティング視点から、コンセプトワークやそれに伴うデザインを行う言わばブレーンであり、2010年3月に登場したKTM Freerideの誕生にも大きく関わっています。
実はKTMのカタログなどもKISKAが手がけています。KTMのモーターサイクルの世界を伝えるために、グラフィックデザイン部門もつねにマキシマム プッシュ。そのモーターサイクルをどう表現すれば一番解りやすいか。READY TO RACEをスローガンとするKTMを一枚の写真で表現するならば、と常にイメージを磨き続けます。
「私たちはKTMについて深く理解しています。それだけに方向性はいつもシンプルです。READY TO RACEという世界を切り取れば良いわけですからね。問題になるのはその手法です。KTMが織りなすその世界をどのようにカメラに収めるのか。実はそれが 難しいのです」
カタログ、ポスター、カレンダー等々アートワークに使う写真は彼らによって念入りに造り込まれます。造り込む、と言うと、どこか誇張、捏造という言葉が沸き立つかもしれません。しかし、彼らが行う造り込みとは、KTMの世界に一歩でもレンズを近づけることなのです。
「絵コンテを造り、それを実現できる場所を選び、そして光でハイライトを加えます。絵が求める距離、角度、ドロの飛び方、ライダーの頭の角度等々、一つで も歯車が揃わないと理想の絵になりません。それを追い求め、瞬間のために時間を費やします。すぐに決まることもあれば、時間が掛かるときもあります。イ メージ通りのものが出来たときの歓びはとても大きいのです」

KISKAのデザイナーは自ら絵コンテを描き、そして一眼のデジタルカメラや大型のストロボを携え現場で撮影もします。カタチを造るだけではなく、フィ ロソフィーやファンの部分までパッケージングする。KTM製モーターサイクルの深みをお届けするために。実物の深みの確認は、どうぞお近くのKTMディー ラーで。

広いデスクの上に数々のカタログ、カレンダーなどを広げて撮影の模様を振り返って教えてくれたデザイナー。ワイドレンズを使っての撮影は1メートルと離れていない場所をジャンプしたバイクがかすめて行くという。

広いデスクの上に数々のカタログ、カレンダーなどを広げて撮影の模様を振り返って教えてくれたデザイナー。ワイドレンズを使っての撮影は1メートルと離れていない場所をジャンプしたバイクがかすめて行くという。

こうした写真は下中央にあるような絵コンテを元に作成される。

こうした写真は下中央にあるような絵コンテを元に作成される。

コンテは言わば写真の設計図。太陽が上から照らしそれを受けてレフ版で下から光を当てる。バックには青空。

コンテは言わば写真の設計図。太陽が上から照らしそれを受けてレフ版で下から光を当てる。バックには青空。

そんなイメージに近い写真を何度も何度もトライして撮影。ライダーはステファン・エバーツ。KTM350SX-Fを飛ばす。

そんなイメージに近い写真を何度も何度もトライして撮影。ライダーはステファン・エバーツ。KTM350SX-Fを飛ばす。

カメラ上空に飛び出した瞬間を捉える光、バイク、背景のバランスが世界を造り込む。この撮影のためにライダー、バイク、そしてフォトグラファーが息をあわせる。

カメラ上空に飛び出した瞬間を捉える光、バイク、背景のバランスが世界を造り込む。この撮影のためにライダー、バイク、そしてフォトグラファーが息をあわせる。