KTM AMBASSADOR達の午後 Owner No. 4
300XC-W×吉沢康弘さん 第2回 
「41歳になっても、バイクに乗り始めた頃のワクワク感が忘れられない。
だから走り続けてます」

長年エンデューロに参戦し、レースが生活の一部になっている吉沢康弘さん。今回はその吉沢さんと、その活動をサポートしているKTM埼玉の古宅廣年さんにも加わっていただき、お話をしていただきました。

オレブロ:前回に引き続きよろしくお願いします。ベテランの吉沢さん、今シーズンもKTM 300 XC-WでJNCCに参戦していますが、今年の目標をお聞かせ下さい。
吉沢康弘さん(以下吉沢さん):今年、JNCCへは300XC-Wで参戦します。第1戦が9位、第2戦では11位に入ることができました。次戦も目標は10位以内。AAクラスで10位というより総合で10位を目指したいです。

オレブロ:頼もしいですね!
吉沢さん:ただ、今10代、20代の若手ライダーや、モトクロスの国際A級で活躍したライダー達がJNCCにスポット参戦してくるなど、ライダーのレベルがものすごく伸びています。彼らはAクラスでエントリーしてくるのですが、総合で上位に入ってきます。
2,3年前、モトクロスライダーが台頭してきたころ、彼らは想像できないようなラインからエンデューロのコースを攻めてきました。確かに早い。でも時間が経つにつれて疲れて自滅するようなところがありました。
でも、適応力もスゴイ。モトクロスライダーらしいアグレッシブな走りを3時間続ける持久力も身につけてきています。彼らを抑えるのがむしろ大変です。それもあって、エンデューロのレベルはここ数年でかなり上がっています。

オレブロ:まさに異種格闘技ですね。
吉沢さん:モトクロスのA級ライダー達からの刺激、あるいは子供の頃からエンデューロをやってきた若いライダー達からの刺激も凄くあります。
それに加えてトライアルのライダー達が参戦してきています。彼らもちょっと前までは後半ばてる傾向がありましたが、今はそれも無くなってきています。彼らの走りやラインという攻略方法も刺激になります。思考回路が全く違いますからね。
そんなこともあって、結果を残すには難しくなっています。ちょっと転んだだけで10番代だったのが30番代にすぐに落ちるほど混戦です。でもその分、やりがいが出てきています。

オレブロ:そうした中、ベテラン吉沢さんとして、新たな秘策はありますか?
吉沢さん:粘り強さです(笑)
自分の年齢からスピードで勝負をする、トップスピードをもっと伸ばすことは大変です。後半でも遅れないようにする体力トレーニングの面を含め、できるだけ若手と練習して刺激を受けてスピードでも遅れないようにすることですね。
同時にエンデューロの場合、3時間走っていれば必ずというほどトラブルがあります。ノートラブルは難しい。そのときの対処法、あるいはトラブルでも折れない人間の強さという部分で差が出やすい。その部分は若手よりも上手、自分の強みだと思います。経験からくる粘り強さです(笑)。

吉沢康弘さん今年で41歳。まだまだ走る。ベテランにしかできないレースがある。

吉沢康弘さん今年で41歳。まだまだ走る。ベテランにしかできないレースがある。

オレブロ:まさにエンデューロ(耐久)ですね!
吉沢さん:例えばプロとしてライダー生活をしてきた人達にとってレースは身近な存在だと思います。
僕達アマチュアはスタートラインに立つまでが大変です。
日常生活の中でレースに割く時間のこと、費用のこと。やっとのことでスタートラインに立てても、仕事の関係で寝不足だったりすることは珍しくありません。ベストではない状態で走ることがむしろ当たり前。
それで長年レースをしてきました。そんな形で走ってきただけに、プロでトップを経験している人より、何かあったときは強いです。ちょっとやそっとじゃあきらめないぞ、と。

古宅廣年さん(KTM埼玉オーナー):たとえば、3時間のエンデューロのレース中、1時間トラブルで修理をしていたとしても、せっかく来たのだから、あと1時間走って帰ろう、というような部分ですよね。

吉沢さん:そうですね。手ぶらじゃ帰らないぞ、と。

古宅廣年さん:ある意味、せこいんですよ(笑)

吉沢さん:そう、元とってやろう、という(笑)

オレブロ:なるほど。そして今年、最終的にランキング10位以内を目標にということですね。
吉沢さん:昨年が16位。今、若手の台頭もあり正直、昨年より上位に行かれるのか、という部分はあります(笑)

古宅廣年さん:この前、JNCCスズランの帰り道、話をしていたのです。小池田猛が今シーズンも ランキング1位を死守して、吉澤さんが一桁番代に入ったら、協力をいただいているスポンサーさん達と年末に新宿あたりで盛大にパーティー開こうねと(笑)。
いや、やっぱり六本木かなぁ、とか。そっちのほうばかり盛り上がって、レースの戦略的な話は無かったね(笑)。

週末には多くのKTMユーザーがKTM埼玉にやってくる。そしてオフロード談義に花が咲く。

週末には多くのKTMユーザーがKTM埼玉にやってくる。そしてオフロード談義に花が咲く。

吉沢さん:そう言ってしまったのが最高の戦略。あとに引けないね、と(笑)。励みになります。今、いろいろとバックアップを受けながら走ることは自分がレースをやって来た中で無かったことです。レースを続けるのもやめるのも以前は自分の責任でした。人のために走ることが無かった分気楽でした。でもこれだけ応援をいただくと、中途半端じゃやめらません。これは良いプレッシャーですね。

オレブロ:チーム力含めて頼もしいですね。
吉沢さん:今年41歳になります。年齢とともに体の故障との戦いにもなります。前戦も練習中に痛めた手首(骨にヒビが入った状態)で走りました。ピットで給油した時、鎮痛剤を探してもらったほどです。本当に痛かった! 結局鎮痛剤は無かったんですが、後半1時間ぐらいは痛みも麻痺してました(笑)。でも下りでは抑えられなくて。それだけにフィニッシュしたときは感動的でしたよ(笑)。

オレブロ:ドラマチック!
吉沢さん:レベルを問わず日常では絶対に味わえないことを体験できる。それがエンデューロレースの面白さだと思います。必ずドラマがありますから。

オレブロ:長年惹きつけるその魅力、それはなんなのでしょうか。
古宅廣年さん:まだバイクの免許を取る前、河川敷でモトクロスごっこをしたとか、誰かが母親の買い物バイクを借りてきて、それで走り回ったとか、そんな頃のワクワクが今でも山を走るとあるんです。その感覚が抜けないんですよ。ガキなんです(笑)。だから走り続けるんでしょうね。
吉沢さん:そのまま大人になって、今レースを走っているという感覚ですから。頭の中が真っ白になるまで普段の暮らしのことをリセットできます。そしてレースが終わると必ず悔しい、と思うんです。次はこうしてやる、ああしてやると。やめられないんですね。
エンデューロは息の長く楽しめるスポーツです。モトクロスは引退の理由に年齢がありますが、エンデューロだとそうはならないですから。今でも50代後半で第一戦というものすごいライダーもいますから。

オレブロ:そうすると吉沢さんもまだまだ若手、ということになります(笑)
吉沢さん:今はスクールもやっています。オフロードを始めても楽しくなる前に怪我をして離れてしまう人がいます。オフロードは怪我するから危ないよ、となってしまう。そこで基本的に怪我をしないで楽しめる方法をお伝えしています。今、手首を怪我していますけど、仕事に穴を開けるような怪我をここ何年もしていません。怪我をしない乗り方のこつがありますからね。それがテーマです。

オレブロ:吉沢さん、古宅さん、ありがとうございました。これからもKTMを走らせて活躍をして下さい。