125 DUKE 担当デザイナー
Craig Dentインタビュー
「KTMらしいスタイルでしょ?」

125DUKEのデザインを担当したクレイグ・デントは、2010年3月の東京モーターサイクルショーにおいて発表された電動モーターサイクル“Freeride”のデザイナーでもある。

125 DUKEのデザインを担当したクレイグ・デントは、2010年3月の東京モーターサイクルショーにおいて発表された電動モーターサイクル“KTM Freeride”のデザイナーでもある。

KTMのブランドスローガン、READY TO RACE。この言葉を裏打ちする、“ピュア、エクストリーム、パフォーマンス、アドベンチャー”という4つのベクトルを、端的に表すのが性能、そしてデザインです。

KTMが造るモーターサイクルのデザインを担当するKISKA。このキスカは、スタイリングワークにとどまらず、KTMというブランドを体現するあらゆる部分、たとえばカタログやポスターからプロモーションビデオまで、デザインや製作を担当しています。

ジェラルド・キスカ(G. キスカへのインタビューはコチラ )率いるこの会社で、125 DUKEを担当したのがクレイグ・デントです。
2010年3月、東京モーターサイクルショーで発表された電動モーターサイクル、KTM Freerideのデザイナーでもあるデントは、注目モデルを任される実力のある若手デザイナーです。そんな彼に125 DUKEのデザインについて聞いてみました。

オレンジ・ブログ(以下オレブロ):125 DUKEのどの部分のデザインを担当したのですか?
クレイグ・デント:全部です。タンク、ホイール、ヘッドライトマスクすべてをデザインしました。

「タンクのデザインを見て欲しい」とクレイグは言います。

「タンクのデザインを見て欲しい」とクレイグは言います。

オレブロ:デザイナーとして最も注力した部分はどこでしょうか。
クレイグ・デント:すべてです(笑)。その中でもタンクにつけたラインには力を入れました。この部分はライダーの足と接触する部分でもあります。また、サイドカバーから、タンクトップの部分などとデザインが融合させることで、新しいデザインを提案しています。

オレブロ:つまりそこが見所、というわけですね。
クレイグ・デント:その一つです。デザインする上で一番気を付けたのは、ビッグバイクのような存在感や質感を125 DUKEから感じられるのか、という部分です。
言葉を換えれば、690 DUKEのようなテイストです。だから125 DUKEを最初に見ると、そのインパクトは400㏄ぐらいあるバイクに思えるかもしれません。
でも、大きい、重たい、という意味ではありません。いわゆるチープなモーターサイクルをターゲットにしていないのです。
モーターサイクルにとってプロポーションは大切なポイントです。690 DUKEと同種のデザインとしながらも、サイズはコンパクト。でも、受ける印象は690 DUKEと同じなのです。

「ロンドンに住んでいる弟はモデルをやっているからね」と、ポーズもバッチリ決めてくれる。

「ロンドンに住んでいる弟はモデルをやっているからね」と、ポーズもバッチリ決めてくれる。

オレブロ:なるほど……。
クレイグ・デント:つまり、690 DUKEも125 DUKEも同じようなバランスでデザインされているわけです。
KTMのデザインには多くのループが存在します。たとえば、KTMがデザインするエンジンはコンパクトです。そのコンパクトなエンジンを囲むようにフレームがレイアウトされています。さらにそのフレームが690シリーズと比べてかなりローダウンされているのが解ると思います。
それがフレームとエンジンで一つのカタチを造っている所以です。いわゆる普通の125㏄は、エンジンの上にメインフレームが通っていますよね。より低くフレームをレイアウトすること。これもデザイナーとして力を入れた部分です。

オレブロ:そこも125 DUKEの大事な見所というわけですね。
クレイグ・デント:ビッグバイクと同様のテイストを持たせたこと。若い人は大きなバイクに惹かれるはずです。けっして若いからと言って、子供向けのバイクに乗りたいわけではない。そう考えています。

オレブロ:ほかにもまだ語るべく部分がありそうですね。
クレイグ・デント:全体のスタイルですが、ネイキッドバイクはコンパクトであればあるほどかっこいい、と私は考えています。ですからストリートファイターのようにリアエンドをどんどんコンパクトにしていきました。
もちろん、法規的に満たさないとならない部分もあるので、ナンバープレートも取りつけなければなりません。テールランプやリアフェンダーも必要です。個人的にはテールランプはリアエンドから遠ければ遠いほどかっこいいと思います。
そうした制約の中でもベストなカタチなのが125 DUKEのスタイルです。

若者の嗜好を的確に捉え、数多くのアクセサリーやパーツも用意した。

若者の嗜好を的確に捉え、数多くのアクセサリーやパーツも用意した。

オレブロ:カスタムの提案に関しても聞かせて下さい。
クレイグ・デント:125 DUKEのプロトタイプとして125 RACEと125 STUNTをショーに出展しました。通常、市販状態に近いものを出すのが普通ですが、ノーマルに見えるものを展示するつもりはまったくありませんでした。
ティーンエイジャーや若い人は自転車にしても、スノーボードにしても、ファッションにしても、オリジナルのままではなく、カスタムパーツで自分流にカスタマイズすることに強い関心を持っていますからね。
ですから、ノーマルとは明らかに違う125 RACE と125 STUNTを打ち出すことで、このバイクは自由自在にオリジナルのスタイルにいじれますよ、というメッセージを伝えたかったのです。

オレブロ:なるほど。だから完成度の高く、まったくキャラがことなるいくつかのタイプのデカールキットも用意されているわけですね。
クレイグ・デント:そういった意味では昨年発表した電動ストリートバイクのコンセプト、KTM Freeride SMと同様です。若いカスタマーの視線を集める、という意味では同じ手法だったと言えますね(笑)
そしてもう一点。
今、KTM のデザインランゲージとしてボディーの中に仮に「オレンジが無くてもKTMと解る」という方向に徐々に纏め上げています。
たとえばライトマスク。どのモデルも異なるライトマスクですが、明らかにKTMの顔だと解る、というような部分をですね。

オレブロ:なるほど。いろいろ勉強になりました。で、次のモデルはどんなスタイルになるのでしょう?
クレイグ・デント:それを言ったらボクの仕事が無くなりますね(笑)

オレブロ:ありがとうございました! またお話聞かせて下さい!