「オンオフ・ツアラーの枠にとどまらず、
リアル・オフロード・モデルとしての作り込みとスポーツ性の高さが、
アドベンチャーの何よりも魅力です」
990ADV-Rのオーナーとなった、モト・ジャーナリストの松本充治さん。

オフロード雑誌のライターとして長年活躍。ベテラン・オフローダーであり、
特に日本のビッグオフ・シーンの草分け的存在でもある松本充治さん。
オレンジブログでは、その松本さんが今年から新たにKTMの誇るアドベンチャーツアラー、990ADV-Rのオーナーとなり、さらなる活動をスタートさせたとの情報をキャッチ。
アドベンチャーの魅力や松本さんの近況などをうかがうべく、
本拠地である群馬のフィールドを訪れた。


松本さんと990ADV-Rのツーショット。松本さんが着用しているウエアは、KTMパワーウエアのピュアアドベンチャージャケット&パンツ。今年はこのアドベンチャージャケット&パンツで盛装し990ADV-Rを駆る松本さんといろんなところで出会えるだろう。

松本さんと990ADV-Rのツーショット。松本さんが着用しているウエアは、KTMパワーウエアのピュアアドベンチャージャケット&パンツ。今年はこのアドベンチャージャケット&パンツで盛装し990ADV-Rを駆る松本さんといろんなところで出会えるだろう。

オレンジブログ(以下オレブロ) これまでも多くのビッグオフに乗ってこられた松本さんが、今年から新たに990ADV-Rのオーナーになられたと聞き、今日はお話をうかがいにおじゃまいたしました。どのような経緯で990ADV-Rに乗られるようになったのか……といったあたりからお聞かせください。
松本充治(以下松本) そうですね。990ADV-Rは、2009年に登場した時から、とても興味のあるモデルだったんです。もともと“走り”のビッグオフとしてはこのカテゴリーで断トツと言っても良かった990ADV-Sの後継モデルでしたから。
そして、去年の暮れのことですが、以前からお世話になっていたKTM埼玉の古宅さんから連絡をいただきました。
「程度のいい中古車が出るよ」とのことで、思いきって購入しました。こういう希少なモデルの中古車は、なかなか手に入れたくても入れられないことのほうが多いですから。

オレブロ なるほど、そういう経緯だったのですね。ただビッグオフ・シーンでは、松本さん=GS(BMW)のイメージが強かったようにも思うのですが……。
松本 よくそう言われます。実際、BMWのGSも好きで、さんざん乗ってきましたし、今もBMWのHP2 Enduroというマシンを所有しています。
KTMマシンとの付き合いはGSより古いですね。初めてKTMのマシンに接したのは、今から20数年以上も前の’86年の125とか’88年の250といった“左キック”の頃のエンデューロがスタートで、以来今日までずっとBMWと併行してKTMにも乗ってきています。

ビッグオフの“オフ”という部分にこだる松本さんの990ADV-R。「ビッグオフの可能性や、まだ誰もトライしていない未知の領域へのチャレンジを行い、ビッグオフへの先駆的な関わり方や接し方を常に発信するのが自分の役目として活動してきた」と話す松本さんらしい実戦的なモディファイが施されている。詳細は松本さんのブログで定期的に更新中の「990ADV-Rロングタームリポート」に詳しい。

ビッグオフの“オフ”という部分にこだわる松本さんの990ADV-R。「ビッグオフの可能性や、まだ誰もトライしていない未知の領域へのチャレンジを行い、ビッグオフへの先駆的な関わり方や接し方を常に発信するのが自分の役目として活動してきた」と話す松本さんらしい実践的なモディファイが施されている。詳細は松本さんのブログで定期的に更新中の「990ADV-Rロングタームリポート」に詳しい。

オレブロ どんな車種に乗ってこられたのですか。
松本 その’88年の後は、“左キック”から“右キック”となった’91年の250に長く乗っていました。同じ頃、当時“青エンジン”と言われていた初期型のLC4エンジンを搭載した600GSインカなんていう、日本に1台か2台しかないようなレアモデルを所有していたこともあります。少し前の640ADVの原型といってもいいようなモデルです。
その後、’90年代後半に少しブランクがありますが……。そして今から10年ほど前に、今もお話したKTM埼玉の古宅さんと、雑誌の仕事を通して出会い、またKTMに目覚めることになりました。この10年は’01年の125SXに始まり、’02年250EXC、’03年450EXC-R、そして’07年の250EXC-Fときて、今は’05年の525EXC-Rが手元にあります。
昔からKTM一筋でやってきたエンデューロの仲間がいて、所有した何台かはその仲間のものだったりもするのですが、KTMがあったからこそ、そういう仲間と長い友情や交流を絶やすことなく続けてくることができたと思っています。

オレブロ なるほど、KTMのエンデューロ・モデルとはもう20年以上の付き合いというわけですね。ビッグオフのカテゴリーについては、いかがですか。
松本 KTMのビッグオフといえば’03年に登場した950ADVを忘れるわけにはいかないと思いますが、そのまさに記念すべき初期型ともいうべき’03年モデルの950ADVにも2年ほど乗っていた時期がありました。
で、そうこうしていると、KTMから前代未聞の950SERという凄いマシンがリリースされるという話が飛び込んできて、これはどうしても手に入れたいと思い購入することにしました。その当時は、それまで乗っていた950ADVと2台所有することがどうしても出来ず、950ADVを泣く泣く手放し950SERに入れ替えたという経緯があります。
950SERは今も所有していますが、950ADVを手放したときから、次にまたこうしたオンオフ・ツアラーを乗るなら、絶対にKTMのADVだと心に決めていました。
今回、990ADV-Rに乗ることになったのも偶然ではなく、きっと何かの縁で初めからこうなることが決まっていたのでは……と思ったりもしています。

オレブロ 松本さんから見た990ADV-Rの魅力とは、どんなところにありますか。
松本 そうですね。ざっくり総論的に言うと、カテゴリー的にはいわゆるビッグオフ=オンオフ・ツアラーのジャンルに属する一台だと思うのですが、その枠にとどまらないモデルですね。
特にビッグオフの「オフ」というところでも手抜きがなく本物の作り込みがなされていることと、それゆえのスポーツ性の高さが、やはりこの990ADV-Rの何よりもの魅力だと思います。また、KTMのバイクらしく、マシンが乗り手を駆り立ててくるところがあるのも、ボクには嬉しい部分ですね。

松本さんが毎日トレーニングしているというフィールドで、990ADV-Rをライディングしてもらった。「車重や車体の大きさがある分、軽量車と同じようにはいかないが、ツアラーとは思えないほど運動性に優れている。さすがKTMのマシンですね」と松本さん。

松本さんが毎日トレーニングしているというフィールドで、990ADV-Rをライディングしてもらった。「車重や車体の大きさがある分、軽量車と同じようにはいかないが、ツアラーとは思えないほど運動性に優れている。さすがKTMのマシンですね」と松本さん。

オレブロ そうしたマシン・キャラクターは、ツアラーとしては疲れる要因にもなり、チョイスを躊躇するというような意見も一部にはあるようですが。
松本 確かにおっしゃるような一面がないとは言えないとボクも思います。でも、だから乗らないというのではなく、むしろ乗り手のほうが、マシンと拮抗できるだけのフィジカルとメンタルを鍛えればよいだけのことなんです。
そうすればこの990ADV-Rは、乗り手が体験したことのない走りの世界やツーリングの世界=バイクと行く旅までを堪能させてくれると思います。
バイクに乗って走るということ、バイクとともに街を出るということは、本来そういうことでもあるように思います。ツアラーだからといって、それが楽なだけの「安楽椅子」では決してないということではないでしょうか。(続く)

■プロフィール
松本充治(まつもと・みちはる)

モト・ジャーナリスト。日本のビッグオフ・ライディングの草分け的存在としても知られる。最近はこれまでの経験を生かして、ビッグオフ・ビギナーを対象にしたガイドツーリングやスキルアップトレーニングなどを企画、ビッグオフ・ライディングの普及に力を入れている。
2008年に群馬県に移住。日々、ライディング生活を実践。休日以外は毎日ビッグオフに乗り、そこで得たもの、感じたことを自身のブログから発信している。
愛車、KTM950SER、KTM525EXC-R、BMW HP2 Enduroの3台に加えて、今年からKTM990ADV-Rも所有。ブログにて990ADV-Rのロングターム・リポートも随時更新中。

□松本充治オフィシャルWEBサイト
http://www.matsumotomichiharu.com/