インタビュー:POWER PARTS PRODUCT MANAGER
THOMAS DIWISCH
POWER PARTSについてお話します。第2回

オレブロがインタビューしたトーマス・ドゥーイッシュ。KTMでPOWER PARTSのプロダクトマネージャーの任に付く彼が語る後編です。

KTM本社から車で2〜3分の所にあるパワーパーツ&ウエア部門。大きな窓のあるオフィスは、商品開発からカタログ制作まで何でも行う司令部である。1階がパーツセンターになっている。

KTM本社から車で2〜3分の所にあるパワーパーツ&ウエア部門。大きな窓のあるオフィスは、商品開発からカタログ制作まで何でも行う司令部である。1階がパーツセンターになっている。

POWER PARTSにっとて重要なポイントは、カスタマーがディーラーで欲しいと思ったPOWER PARTSをオーダーしたとき、それが短い納期で手元に渡るとことです。実はこれが本当に大変なことで、我々にとっても常に挑戦でもあります。
サプライヤーへのオーダーも次の2〜3ヶ月の売れ行きを見込んで必要な数の発注をかけます。新車の販売状況や古いモデルイヤーのものに関しては保有台数などの資料なども参考にしています。とにかく2000点を超えるPOWER PARTSのラインナップを1度に1年分丸ごとオーダーするには我々の倉庫は小さすぎますからね。

例えば、よくオーダーを受ける商品とそうではない商品でも発注のタイミングや量は異なりますし、古いモデルに関しても次第に出荷量は少なくなっていきます。何年目にはカタログ落ちする、というロジックではなく、あくまでもニーズがあればPOWER PARTSのストックリストには残るのです。
ですから、場合によっては販売価格を少々上げてでも少量発注でカスタマーの要望に応える方法を選択します。デッドストックになるよりはその方がカスタマーもハッピーですから。
それに年式によって線引きをするのが難しいのがKTMならではの悩みです。
KTMの十八番であるオフロードモデルを例にとってみると解りやすいのですが、ハードに使ったオフロードモデルは3年も経つと外装などもかなり痛みます。そうなると、ドレスアップするようなパーツよりも、ステッカーキットで外観をリーズナブルにリフレッシュする方法を選ぶカスタマーが多いのです。
しかし、3年前の990ADVENTURE だとしたらパニアケースやドレスアップパーツで、ご自身のスタイルにバイクを仕上げていく途中であることが珍しくありません。オフロードモデルの3年間とは違った使われ方をしているわけですから、まだピカピカである例も普通です。

パーツにはトレンドがあります。例えば昨年オフロードセグメントではアンチホッピングクラッチ、つまりスリッパークラッチが注目を集めました。そしてオートマチッククラッチへとその流れは動いています。この機構が生み出すオフロードでのトラクションの良さ。もちろん回転が下がれば自動的にクラッチが作動しますからね。
これは私たちも注目の先進性のあるパーツです。特に新たにオフロードにやってくるライダーにとっては、強い味方になるのではないでしょうか。この流れがロードバイクセグメントにも来るのでは、と予感があります。

125DUKEが来年春に発売されますが、現在30程のパーツを用意しています。それらは若いライダーを意識したもので、外装にアクセントを加えるステッカーキット、ヘッドライトマスク、そしてタンクの下に取り付けるLEDライトも用意しています。若い人には必要でしょう。色はブルーとホワイト。そもそもこのLEDライトはR&Dの若いスタッフからの発案で具現化したものです。彼は確か21か22歳ですね。

ヨーロッパでは免許制度の法令で16歳から乗れる125モデルは15ps以下という規定があります。そのためエキゾーストシステムやチューニングパーツの用意は考えていません。サードパーティからはボアアップキットなどが発売されるかもしれませんね。

125DUKEはもちろん、今多くのストリートモデルに装着できるアイテムとしてアダプティブ・ブレーキランプを次期カタログには載せる予定でいます。これは急ブレーキをかけた時にそれを判断したユニットが自動的にブレーキランプを点滅させるもので、一部のプレミアムカーなどに採用されているものです。安全面からも興味深いパーツです。でもテールランプを交換する必要はありません。小さな電装ボックスを追加するだけでこの機能は作動するようになります。

パーツセンターには出荷を待つパーツが整然と置かれている。

パーツセンターには出荷を待つパーツが整然と置かれている。

とにかく現状POWER PARTSカタログにはチューニングパーツ、ラゲッジキャリア、そしてドレスアップパーツなどあらゆるものが用意されています。それだけに全く新しいジャンルのものを探すのは難しいかもしれません。もちろん既存の製品をアップデイトしていくことは大切な仕事です。例えばグリップヒーターです。これまでの物よりもきめ細かく温度調整を可能にしたものを用意しました。日本のサプライヤーがとても良い製品を供給してくれます。私は11月上旬、アルプスの峠までその製品を装着してテストをしてきました。標高が上がるとすぐに気温は零度。それでも手がかじかむことがなく快適でした。
KTMにとってPOWER WEAR、POWER PARTS、そしてスペアパーツという新車販売以外の収益は約25%を占めています。2輪ブランドの中でも自慢できる品揃えもあります。私はこの事を誇りに思います。皆さんもどうぞKTMライフをPOWER PARTSで楽しんで下さい!