インタビュー:POWER PARTS PRODUCT MANAGER
THOMAS DIWISCH
パワーパーツについてお話します。第1回

KTMユーザーにとってPOWER PARTSのカタログを眺めるのは至福の時間に違いありません。さてそのアイテムはどのように選ばれ、どのような人がKTMの中で働いているのか。気になったオレブロは早速担当者にインタビューを試みたのです。

パワーパーツのプロダクト・マネージャー、トーマス・ドゥーイッシュ。

パワーパーツのプロダクト・マネージャー、トーマス・ドゥーイッシュ。

日本のKTMユーザーの皆さん、こんにちは。私はトーマス・ドゥーイッシュ。KTMでPOWER PARTSのプロダクトマネージャーをしています。具体的な業務は、カタログやWEBショップ、ディーラーネットワークに掲載するPOWER PARTSの選択、R&DやマーケティングのスタッフとともにPOWER PARTSに必要なラインナップを考え、そしてそれをカタチにすることはもちろん、製造する多くのサプライヤーとの価格、販売数などのネゴシエーションなども行います。

最新の2011年POWER PARTSカタログには、オフロード用が750アイテム、ストリート用が600アイテムを越すパーツが掲載されています。しかし、ディーラー専用のネットワークには、例えば640LC4モデルやEXCシリーズなど、従来モデル用のPOWER PARTSもありますから、全部を入れると2000種類を越えています。

こうした中、POWER PARTSの中で人気の商品といえば、オンロード、オフロード双方で人気が高いのがエキゾーストシステムです。特に我々はアクラポビッチとの強い関係があります。ストリート用4ストロークモデルでは主にスロベニアに本拠を置くアクラポビッチという魅力的なエクゾーストシステムが用意しているのはご存じのとおりです。そしてオフロード用2ストローク用ではカリフォルニアのFMF、ベルギーのDOMA RACING製のものを用意しています。

私はKTMで仕事をするようになって3年ちょっとが経ちました。それ以前はKTM クーラー(現WP RADIATOR)という自動車、モーターサイクル用のラジエター類を製造するメーカーで7年間働いていました。BMWやトライアンフ用に収める製品のプロダクトマネージャーをしていたんです。KTMは仕事としても趣味としても両立出来るブランドですし、私が大好きなバイクメーカーです。つまりそれがKTMクーラーからKTMに移った最大の理由です。

プロダクトマネージャーというと開発関係の仕事を思われるかもしれません。しかし、私はモニターの前に1日中座って新しいパーツをデザインするような仕事はしていません。例えばKTM製モーターサイクルのデザインやカタログデザインを担当しているKISKAのデザイナーと共に新しいバイク用のパーツの企画を考えたり、カタログを考えながら造る、ということが仕事であり、私の興味を向ける部分でもあるのです。

ですから、週末にバイクに乗って出掛け「そうだ!こんなパーツがあればいいのに」とひらめいたことを月曜日にスタッフと話し、カタチになるものもあります。勿論、逆に「それは要らないよ!」となるアイディアもすくなくありませんが(笑)。

でも、こうしたアイディアをカスタマーのために役立てることが出来る点で本当に楽しい仕事ですね。

ストリートライディングで好きなのは990SM-Tですね。とにかくこのバイクはどんな場面でもフィットしますから。ちょうど私がKTMに入った頃、990SM-TのPOWER PARTSの仕事が佳境に差し掛かっているころで、ラゲッジバッグなどのアイテムの開発が進んでしました。

それから2年前までは2007年モデルの125EXCにも乗っていました。オフロードでファンライディングするには最高のバイクです。

POWER PARTSのプロジェクト、例えばステッカーキットのようなものは、KISKAで出来上がったデザインをサプライヤーに送るなどします。また他のハードパーツのプロジェクトではKTMの開発チームにも投げかけることが必要です。そして製品として決定したものは製作コストと販売価格をどのぐらいに設定するのか、また、生産数をどのぐらいにするのかなどを決めていきます。どの製品に関してもこうした流れになっています。

そしてサプライヤーが製作したサンプルを対象機種に装着して、問題がないかを確認し、最終的に生産開始となるんです。そしてPOWER PARTSのカタログ製作に必要な製品撮影をし、手短な商品解説を書くのも私の仕事です。ディーラーネット用のテキストを書くのも同様です。

ステッカーキットを例にとりましたが、POWER PARTSを作り出す原動力はR&D、マーケティングサイドからの要望もあれば、私達のアイディア、そしてユーザー達の声もあります。そこにガイドラインというものは特に存在していません。とにかく、今の私の仕事はそうした中からどれを活かせばより良いのか、を判断し、カタログに載せていくことなのです。(続く)