“エルズベルグロデオ レッドブルヘアスクランブル”を
田中太一が振り返る。第2回
「タディー・ブラズシアクとは古い付き合いになるんです」

エントラントは1800人。決勝のスタートラインのは500人。そして完走したライダーは、たった15人だった。

エントラントは1800人。決勝のスタートラインのは500人。そして完走したライダーは、たった15人だった。

オレンジブログ(以下オレブロ):6月のエルズベルグロデオは、田中太一さんにとってはどんなものだったのでしょうか。
田中太一:正直、悔しいんです(笑)。なんで予選で失敗したんだと。あそこで巧く行けばもっと順位も上だったな、と。その辺はもっと責めてもらってもイイぐらいに思っています。ただ、今回の参加で話題を作り、バイク界を盛り上げたい、と思って活動している自分としてはアテンションを集めることができたと考えています。今回のことを次につなげて行きたいですね。

オレブロ: 1800人が予選を走り、500人がファイナリストとして日曜のレッドブルヘアスクランブルに進み、予選に失敗したとはいえ、15人しか完走しなかったファイナルイベントで13位。まさしく凄い結果だと思いますが。
田中太一:トップ50が1列目、2列目に100位まで、という風に50台一列で時間差スタートするのですが、予選が終わった段階でKTMのスタッフに言われたんです。「頑張れよ、チャンスはある。ただ、残念だが3列目以降で時間内にフィニッシュしたヤツはいないんだ」と。
でも自分としては応援してくれるファンもいる、期待されている分、引けないですよね。関係ない、行ってやるとは思いました。
オレブロ:今回KTM300XCWというバイクでの挑戦でした。国内のJNCCなどでは250EXC-Fで参戦しています。その違いはどうでしたか。また、今回、田中太一さんはKTMが20名限定で有償サポートしている、マシンレンタルとテクニカル面やレース中のランチサービスなどを含めたパッケージを利用されました。エルズベルグロデオに於けるKTMのサポートなども聞かせて下さい。
田中太一:KTMのサポートは心強かったですね。現場に足を運んでKTMの存在の大きさを感じました。例えばエントリーの受付をするときでも、KTMのサポートを受けているとスムーズに済ませることができました。エントリー数がエントリー数だけにこれは助かりました。
300XCWには日本から持っていったパーツ類を取り付けたことぐらいで、基本的にストックのままです。軽くて速いというのが第1印象でした。エンジンはトルクがもうモリモリです。モリモリ過ぎ、と感じる場面もあるぐらいでしたね。あとはやはり整備性がいい。工具も少ない数で済みますしね。レース本番の時、担当してくれたメカニックが、「タイチ、必要な工具と予備のレバーはここに入れておくから、身軽で走れるぞ」ってエアクリーナーボックスの中にテープで貼っておいてくれたんです。これでライダーがスペアパーツをバッグにいれて担ぐ、という負担を軽くしてくれた。これは走り始めたら解りましたが、ホント極限を試されるほど体力を奪われる。こうした経験値からくるサポートというのは本当に助かりました。メカニックも親身でした。ムースチューブを使っているんですが、それがちょっと硬い、もう少し柔らかくしたい、と言ったらソフトな感じにするためにムースをカッターで削っているんです。それでセッティングは理想的な方向になりました。
予選前にメカニックが「タイチ、これで150キロぐらい出るか確かめてこい」っていうんです。プロローグラン(予選)は鉱山のダンプが走っていた道でやるのでめちゃめちゃハイスピードバトルなんです。ファイナルを合わせてそこまで速度が出ないと勝負にならない。事前にコースは歩いて下見しましたが、レーシングスピードで走るのとはまったく違いました。コース際にあるロックのバンクを使ってギリギリの所を攻めました。途中ミスコースしたり、岩にチャンバーヒットしてへこませたりでタイムロスしてしまって。タディーもいろいろ教えてくれました。深い水たまりにはか気を付けろとかですね。入ると胸ぐらいまであるようなのもあるらしいんです。前日まで雨だったので。予選ではタディーもコケてましたからね。ホント一発勝負でした。
オレブロ:タディー・ブラズシアクとは古い付き合いだ、と訊きました。田中太一:はい、以前トライアルの世界選手権を回っている時、同じチームに所属していて、スペインではメーカーの契約ライダー用のアパートで共同生活していたこともありました。タディーのお兄ちゃんも一緒でした。お兄ちゃんがいい人で、今回のエルズベルグでも色々教えてくれました。タディーは、トライアル時代、僕の方がランキングが上だったから、ライバル心からかエルズベルグロデオのことはあんまり多くは教えてくれないんですよ(笑)。でもタディーは、「タイチもエルズベルグロデオにこいよ」と声を掛けてくれたりしましたね。仲間に会いたい、というのも今回の参戦動機の一つになっています。

鉄鉱石を採掘していた鉱山の跡地をコースとして利用している。ご覧の通り圧倒的なスケールだ。「完走などさせてたまるか」という設定なのだ。

鉄鉱石を採掘していた鉱山の跡地をコースとして利用している。ご覧の通り圧倒的なスケールだ。「完走などさせてたまるか」という設定なのだ。