デザイナー・インタビュー──セバスチャン・スタッシン
第2回「もっと人とモータースポーツを近づけたい」

なぜエレクトロリックエンジンが必要だったのか。KTM Freerideを造り始めた時、大きなクエスチョンマークがありました。それは四輪で電動モビリティーを造る事を考えたとしても、大きな重量を占める バッテリーにより車重を軽くすることは簡単な事ではありません。事実、AからBへと移動するエコ・モビリティーとしての電動はありますが、スポーツカーの パッケージとしては最適とは言えないのが事実です。
しかし、我々がターゲットとしたのはオフロードスポーツを楽しむこと。KTM Freerideのエンデューロバージョンの場合、ターゲットは100kg以下。既存のモトクロスマシンやエンデューロマシンと同等に仕上げなければ性能 を引き出すことは難しい。それにKTMユーザーにとって、エクストリームであることは絶対条件です。そして電動となりゼロエミッション、騒音面でも有利になることで、モータースポーツの環境負荷を大きく下げる事も狙いでした。
程度問題で考えれば他にだって反エコなスポーツやレジャーは存在します。だからといって、2輪のモータースポーツはこのままでもいい、というわけではありません。KTMは、モータースポーツで活躍をしてきたブランドであり、これからもそうありたいと考えています。
もっと人とモータースポーツを近づけたい。次世代のライダーへのモータースポーツの選択肢としてKTM Freerideが機能してほしい。そう考えたのです。もちろん、市街地向けのKTM Freeride SMも同様です。市街地向けですが、そのデザイン、性能はREADY TO RACEの哲学を封入した造りであることは言うまでもありません。最終的にAからBに移動が可能ですがコミューターではありません。例えるならばスケート ボードのように、階段を下り、ジャンプし、そして壁に当てて向きを変える、そんなファンなイメージを込めているのです。(続く)